校内見回り活動によるいじめ対策の取り組み

いじめは、教室だけで起こるとは限りません。休み時間の廊下、トイレなど、教職員の目が届きにくい場所で行われることもあります。
また、いじめ防止に当たっては、学校側がいじめを許さないという姿勢を示すことが非常に大事です。
校内見回り活動によるいじめ防止の実現
校内見回り活動とは、休み時間や放課後などに教職員が校内を巡回し、子どもたちの様子を見守る取り組みです。
単に問題行動を取り締まるのではなく、次のような目的が考えられます。
- いじめやトラブルの早期発見
- 子ども同士の関係や雰囲気の把握
- 相談しやすい関係づくり
- いじめを許さない学校の姿勢を示すこと
教師の多忙化とはいえど、いじめ防止は学校における最優先課題ですので、校内見回り活動を自校のいじめ防止プログラムに取り入れることは非常に重要かと思われます。
海外のいじめ防止プログラムでも取り入れられている
海外のいじめ防止プログラムにおいて、もっとも有名と言われている「オルヴェウスいじめ防止プログラム」では、校内生徒見守り制度が重要視されています。
「見守りをしている大人が断固として、また一貫して介入するばあいには、それはいじめている生徒や傍観者に対する重要なシグナルを送ることになります。つまり私たちは学校でのいじめを決して許さないし、そうした行為はやめさせられ、必ず否定的結果がもたらされる、というシグナルです。」
『オルヴェウス・いじめ防止プログラム 学校と教師の道しるべ』Dan Olweus et al. (2013) p.68

また、フィンランドの「KiVaプログラム」でも校内見回り活動が重視されています。
KiVaプログラムでは、目立つ色のベストを着用した教師による見回り活動が行われます。
全般的行動に関する取り組みには、親へのガイドブックとポスター、休み時間に(校庭などを)監督する教師が着る非常に目立つベストなどの、いじめ防止を訴える「シンボル」などが含まれている。
(望田研吾, 2013,「諸外国のいじめ問題と、フィンランドと英国の防止への取組み」(教育と医学 2月号) より)
大人が見回り活動によって児童生徒にシグナルを送ることによって、いじめを許さないという姿勢を示しているわけですね。

有志の子どもによる校内見回り活動も
足立区の小学校の「いじめ事前防止教育」についての取り組みでは、有志による団体(生徒会のようなもの)による子どもパトロールが行われていたそうです。
取り組みの結果として、校内の空気が変わり、「いじめトラブル」ゼロになったとの報告がされています。
学校内に「いじめは絶対にしてはいけない」という空気を作り、「やり過ぎだよ」「いじめになるよ」と子供同士でも言いやすくなりました。教師への連絡もしやすくなりました。傍観者になる必要がなくなったのです。「いじめの芽がでたらすぐに解決」を実現し、TKRが発足してから年に数件発生していた「いじめトラブル」はゼロになりました。
引用:『「いじめ事前防止教育」への取組み【取組み紹介シリーズ[1]】』より
まとめ
校内見回り活動は、いじめを監視するためだけの取り組みではありません。
教職員が子どもの生活空間に足を運び、日常的に声をかけることで、小さな変化に気づき、相談や援助要請につなげる取り組みです。
また、いじめを許さないという学校の姿勢が抑止力となり、児童生徒が安心できる学校に近づきます。
ちなみに日本においても、中嶋博行氏が、学校にいじめ情報収集部と校内パトロール部隊をつくり、学校ぐるみの監視体制を実現することを提唱しています。

教職員による見守りと子ども主体の活動を組み合わせながら、いじめを見逃さず、誰もが安心して過ごせる学校づくりにつなげていきましょう。
