いじめの研究ができる大学・大学院|研究室や教授、論文を確認しよう

いじめという深刻な教育問題に対し、研究や学問によって解決策を探りたい。そんな志を持つ方にとって、大学・大学院選びは非常に重要な第一歩です。
いじめの研究は、心理学、教育学、社会学、さらには法学や経済学など、様々な分野で研究が進められています。
どの学部や領域を選ぶかについては、研究室の情報や、そこに在籍する教授、卒業生の論文などから判断することができます。
この記事では、いじめの研究をする際の大学の選び方や、いじめの研究に注力している主な大学院についてご紹介します。
いじめの研究がしたい場合の大学の選び方
いじめは、主に学校で起こることから教育問題でもありますが、社会的な問題でもあります。様々な分野、学部にていじめについて学ぶことが可能です。
いじめ研究の分野
いじめ研究は、以下のような分野に分散しています。
- 教育学(教育社会学・教育心理学など)
- 心理学(臨床心理学・発達心理学・社会心理学など)
- 社会学
- 人間科学
- 子ども学
- 福祉学 など
大学は授業の履修がメインとなるため、自分が何の分野に興味があるのかについてしっかりと見据えたうえで、大学選びを考えるようにしましょう。
学部の選び方
いじめの研究といえば、教育学部を真っ先に思い浮かべる人も多いと思います。
確かに教育学部といっても細分化されていますので、生徒指導や心理に特化したコースであれば、いじめの研究が十分にできるところも多いと思います。
しかし、教育学部は主に教員養成を目的としているところが多く、もし教師にはなりたくないというのであれば、合わない可能性も高いです。現在の教員養成課程では、いじめなどの心理や生徒指導に関する授業は非常に少ないのが現状です。
いじめの研究だけしたいのであれば教育学部ではなく、社会学部や文学部などの、心理を学べる学科を選ぶというのも手だと思います。
いじめの研究がしたい場合の大学院の選び方
大学院を選ぶ場合、研究室の情報や、そこに在籍している教授も大きな判断材料となります。
いじめ研究の論文から判断する
いじめ研究に関する論文には様々なものがあり、多くの大学教授が執筆しています。
中にはその教授に直接、研究や論文の指導をしてもらえる研究室もありますので、気になった論文の教授が在籍している大学院を検索してみるのも手です。
いじめの研究といっても、援助要請に焦点を当てたもの、学級規範に焦点を当てたもの、ネットいじめに焦点を当てたものなど様々です。自分が研究したいテーマに合った論文があれば、その著者の在籍や経歴から、大学院を考えるのも良い方法だと思います。
修士課程か教職大学院か
自分が将来、教師になりたいかどうかによっても選ぶ大学院を決めましょう。
研究がメインでしたいのであれば修士課程、教員としての技量も磨きたいのであれば教職大学院がおすすめの選択肢となります。
大学の方針や研究室にもよりますが、修士課程、教職大学院のどちらでもいじめの研究は可能です。
また、博士課程への進学も考えている方は、それを見越した進路を考えておきましょう。
いじめの研究ができる大学院の例
いじめの研究をするために大学院へ進学するという場合、どこを選べばいいのか探すのは大変です。今回は、いじめについての研究ができる大学院の例を紹介します。
名古屋大学大学院 教育発達科学研究科

名古屋大学大学院 教育発達科学研究科では、「教育学や心理学を専門とする研究者の養成と、関連分野で活躍できる高度な専門的資質を有する職業人を養成すること」を目的としています。
教育発達科学研究科には、教育科学専攻と心理発達科学専攻が設置されており、いずれも博士課程の前期課程と後期課程とに分かれています。
例えば、教育科学専攻における相関教育科学講座の領域では、人間形成学や教育社会学などを学ぶことができます。いじめ問題の著書も書かれている内田良教授も在籍しています。(2025年度時点での情報です)
様々な講座があり、社会人・職業人向けのプログラムもあるため、多様なニーズに適した大学院となっているようです。
鳴門教育大学大学院 心理臨床コース

鳴門教育大学大学院 心理臨床コースでは、児童生徒だけでなく、乳幼児から高齢者までのすべてのライフステージの方々が抱える生活上の諸問題について、臨床心理学、心理・教育科学などの視点からの支援を考える大学院です。
2026年現在では臨床心理学領域と、心理・教育科学領域の2つの領域で募集がされています。どちらの領域でも心理学について学ぶことができ、いじめの研究が可能です。
臨床心理学領域では、カウンセリング・心理療法に関する専門的知識と技術を主に学ぶことができ、心理職の養成という面が強いです。公認心理師や臨床心理士の資格を目指している方にはおすすめの領域となっています。
心理・教育科学領域では、ストレス、暴力、いじめなどの心理的な問題に心理学から迫る領域です。予防教育プログラムの開発や実践といった活動も多く取り入れられています。ゼロから心理学を学ぶことができ、更に教員免許もゼロからとれるプログラムもあります。
いじめや不登校の問題に詳しい教授も在籍しているほか、鳴門の高島というのどかな場所で研究に集中することができます。都会の大学よりも入試の倍率もかなり低めという印象です。
まとめ
いじめの研究は、教育学・心理学・社会学・福祉学など、さまざまな分野にまたがって行われています。
大学・大学院を探す際は、学部名や偏差値だけで選ぶのではなく、そこに在籍している教授や、研究室の詳細、卒業生がどのような論文を書いているかなどを判断材料としましょう。
いじめの研究を通して、理解を深め、社会に還元していくことには大きな意味があります。だからこそ本気で取り組める環境を選ぶことが大切です。
ホームページの情報に限らず、例えば特定の教授のいじめに関する論文を読んでみて、研究の視点が面白いと感じたら、それが大学を選ぶ決め手ともなるかもしれません。
