いじめの相談を受けたら、どう対応すべきか|教員やSCの初期対応

いじめの相談を受けた際に、最初の対応は非常に重要です。
初期対応によって、その後の展開が大きく変わることがあります。
特に、教師やスクールカウンセラーといった学校関係者はいじめの相談を受けることが多いため、あらかじめ対応方針を意識しておく必要があります。
この記事では、教員が児童生徒や保護者からいじめの相談を受けた際に、どのような言葉を返せばいいのかといった基本的な対応について整理します。
いじめの相談を受けた時の対応のポイント
いじめの相談を受けた際、まずはどのようなことを相談者に伝えれば良いのでしょうか。
いじめに組織的に対応していくことを伝える
相談を受けた段階での、被害児童生徒や保護者に応答する教師の文言について、佐野氏は以下のように提言しています。
いじめがあったことを認めて謝罪し, 組織やチームで対応することを伝える文言である。
それは「いじめに気づけず,すみません。すぐに学校組織でいじめに対応していきます」などのほぼ定型的な言葉である。
(佐野和規・鈴木和也・小野田なおみ・藤井秀一, 2025)「チーム学校に基づくいじめ対応の今日的あり方について:児童生徒に任せず教師が連携して行うべきこと」日本教育心理学会第67回総会発表論文集より)
現行のいじめの定義に照らせば、被害者本人や保護者からをいじめ相談を受けた段階で、いじめ案件として確定していると佐野氏は述べています。
つまり、まずは相談者に対して、いじめの存在を認める姿勢を見せることが重要であるわけです。
事実確認よりもまず被害者の訴えを誠実に受け止める
いじめの冤罪や虚偽の可能性もあるため、いじめの事実確認は確かに重要です。
しかし、いじめの相談を最初に受けた教員は、 事実よりも被害者の主観を尊重して、寄り添うことが必要ではないかと佐野氏は述べています。
教師の中立性ということも主張されることがあるが,最初にいじめ相談を受けた教師は被害者寄りの姿勢を保つことが重要である。「事実確認」「中立」という言葉を聞いただけで,やっとの思いで相談した被害者側は落胆するであろう。この対応は,いじめの客観的事実が曖昧な被害妄想的な案件,さらにはいじめ被害虚言案件についても, 効果的であることが確認できている。
(佐野和規・鈴木和也・小野田なおみ・藤井秀一, 2025)「チーム学校に基づくいじめ対応の今日的あり方について:児童生徒に任せず教師が連携して行うべきこと」日本教育心理学会第67回総会発表論文集より)
教師に相談するというのは勇気も必要で、精神的にも負担が大きいものです。
やっとの思いで相談をした被害者を失望させないよう、教師やスクールカウンセラーは、被害者の訴えを誠実に受け止め、気持ちに寄り添った対応をしなくてはいけません。
いじめの相談に対して勝手な解釈や評価はしない
東京都教育相談センターのいじめ特集においても、いじめの訴えを誠実に受け止めることが重要だと述べており、以下のようなポイントを挙げています。
- 話しやすい雰囲気をつくる。
- 先入観をもたずに聞く。
- 尋問口調にならないように状態を把握する。
- 今の気持ちを十分に受け止める。
- 勝手な解釈や評価、批評はしない。
(「東京都教育相談センターだより」より)
特に、いじめの相談に対して、「いじめでは無いんじゃないか」、「あなたも悪いのではないか」などという勝手な解釈や評価はしてはいけません。
いじめの認知は、学校いじめ対策組織で行う
いじめの認知は、一人の教員の判断によるものであってはいけません。
いじめの認知は,特定の教職員のみによることなく,法第22条の学校いじめ対策組織を活用して行う。
「いじめの防止等のための基本的な方針」p.5より
学校いじめ対策組織とは、学校がいじめの問題に取り組むに当たって中核となる役割を担う組織です。

いじめの相談を受けたときに、勝手に教員がいじめかどうかを判断するのではなく、まずは必ず学校いじめ対策組織に相談・報告をし、組織的に判断していかなくてはなりません。
まとめ
いじめの相談を受けたとき、どうしたらいいかと迷うものです。
特に相談を受けやすい教員やスクールカウンセラーは、以下のことに気を付けて対応しましょう。
- 誠実に訴えを受け止めること
- いじめに組織的に対応していくことを伝えること
いじめ対応では、早く終わらせることよりも、子どもの安全と安心を守ることを中心に据える必要があります。
教員は責任感などから問題を抱え込むことも多く報告されていますが、自校の学校いじめ対策組織を信頼し、相談の内容の共有をしっかりとすることが重要です。
